犬の健康 犬の食事 犬の栄養学

犬の栄養学

犬が健康な身体を維持していくために、最も重要な栄養素は「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」の5つです。本来、犬は肉食動物なので、特にタンパク質や脂肪分の高い食事を必要としますが、 犬の健康的な食生活のため、必要な栄養素をバランス良く取り入れる事が重要になります。

犬の栄養学 【タンパク質】

タンパク質は、筋肉や血液、内臓、皮膚、毛、爪など、体の組織を構成するのに欠かす事の出来ない、基本の栄養素です。特に犬の場合は、人間の約4倍のタンパク質を必要とします。
タンパク質は、数種類のアミノ酸とで構成されていますが、これは人間や犬、そしてその他の動物でそれぞれ異なります。犬に必要なアミノ酸は約10種類あり、これらをバランス良く含んでいる「動物性タンパク質」を十分に摂取する事が大切です。
タンパク質は不足すると体毛の毛ツヤがなくなったり、貧血や体重減少、発育障害などの原因となります。また必要だからと言って過剰に摂取しすぎると、肝機能障害など内臓に悪影響を与える場合もあります。

犬の栄養学 【脂肪】

カロリーの高い脂肪は、犬にとって大切なエネルギー源。その為、人間より多くの摂取量が必要となります。
また、内臓の保護や体温の維持、脳神経の活性化などに働きかける栄養素です。さらに、必須脂肪酸の供給、脂溶性ビタミンの吸収を補う役割も担っています。
また、口当たりが良いため、食べ物旨みを引き立てる効果もあり、犬の食欲を増進させる働きもあります。
ただし、不足すると、体重減少、毛ツヤが悪くなる、皮膚病、免疫力の低下などの原因となる場合もあります。逆に過剰な摂取は、肥満になったり下痢などを引き起こすケースもありますので、バランスよく摂取する事が大切です。

犬の栄養学 【炭水化物】

米や小麦をはじめとする穀類に多く含まれる炭水化物。 繊維質と糖質から構成されており、脂肪同様、エネルギー源となります。 また、繊維質が含まれているので、消化活動を正常に保ち、排便をスムーズにしてくれる機能もあります。
不足すると、低血糖、たんぱく質吸収の阻害、発育不良、自然治癒力の妨げなどの原因になります。
ただし、炭水化物は体内で脂肪に変換されるので、過剰に摂りすぎると肥満の原因となります。

犬の栄養学 【ビタミン】

ビタミンは、あらゆる体の機能の活動を助ける役割を果たします。ビタミンの種類は、脂肪に溶ける「脂溶性ビタミン」と、水に溶ける「水溶性ビタミン」に大きく分けられます。
通常、健康な成犬はビタミンKとCを体内で合成する事ができますが、ビタミンA、B1、B2、B6、Dなどは生成する事ができないので、食事の中から摂取する必要があります。

犬の栄養学 【水】

全ての生命を維持していくのに必要不可欠な水。犬にとっても大変重要なもので、犬の体の半分以上を占めています。その主な働きは、食事で取り込んだ栄養素を体内に運ぶ、体温調節、排泄など数多くあります。
水が不足すると、脱水症状や体温調節機能の低下などを引き起こし、最悪の場合は死に至るケースもあります。また異常に飲む量が増えた時は、糖尿病などが疑われるの十分注意が必要です。


犬は健康であれば水を飲み過ぎるという事はなく、必要な時に必要な量を飲むので、常に新鮮な水を欠かさないように用意してあげましょう。

犬の栄養学 【ミネラル】

ミネラルは、身体の組織の形成や、細胞、神経、筋肉などの機能を調整する必要不可欠な栄養素です。
主にカルシウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄分、亜鉛、ヨウ素、銅などがあり、 生体に約40種ほど含まれています。
その中でも「カルシウム」「鉄」「マグネシウム」「亜鉛」「リン」などが特に摂取が必要とされる物質です。これらをバランスよく摂取することが大切です。

カルシウム
歯や骨を形成する成分。血液や神経の機能を補助する働きも。
不足すると、骨折や骨の変形、神経過敏、不妊などの原因に。
過剰摂取は、甲状腺の機能障害、発育障害などが起きやすい。
体内の酸素を運搬する役割を果たす。
不足すると貧血、食欲不振、抵抗力の減少などの原因となる。
マグネシウム
筋肉の運動や、体内の酵素の働きを補なう。
不足すると、筋肉虚弱、うつ病、しっぽの異常な垂れなどが起きやすくなる。
過剰摂取は、発育・神経障害、皮膚の異常などの原因に。
亜鉛
正常な細胞分裂を行わせ、皮膚や被毛の活性化を維持する。
不足すると、脱毛、発育障害、食欲不振などが起きやすくなる。
リン
カルシウムと結合し、歯や骨を作るのを助ける。
不足すると、歯や骨はもろくなるなど、カルシウム不足の様な状態に陥る。