犬の病気 感染症 狂犬病

狂犬病

狂犬病とは、狂犬病ウイルスの感染によりひき起こされる病気です。狂犬病と言えども犬のみならず、全ての哺乳動物に感染すると考えられています。
感染した犬は凶暴化し、むやみに咬みつくようになり、咬傷から感染が拡がります。発症すると重い神経症状がみられた後、ほぼ100%死亡します。
また犬に咬まれるなどして人間に発症した場合、有効な治療法が無いのが現状です。

狂犬病の原因

狂犬病は、感染した犬や動物に咬まれる事が原因で発症します。唾液に多く含まれたウイルスが、咬まれる事により咬傷から入り込み伝染します。

狂犬病の症状

狂犬病に感染し症状が現れるまでの潜伏期間は、1週間から1年とまちまち。人間の場合は数年かかる場合もあります。
犬の狂犬病には「狂躁型」と「麻痺型」に区別され、それぞれ症状が異なりますが、犬の場合は狂躁型が多く見られます。狂躁型の狂犬病にかかった犬は、食欲がなくなったり、うろうろと当てもなく歩き回るなどの挙動不審の行動が見られ、その後徐々に凶暴化しムダ吠えをしたり、何にでも噛み付くなど意味もなく攻撃をするようになります。
病気が進行すると、神経系統に麻痺が起こります。麻痺は手足のみならずノドにも見られ、呼吸が困難や吠え方の変化、よだれを多く流したり、食物や水を摂るのが困難となります。狂犬病が、別名「恐水症」とも呼ばれるのはこの為です。やがて衰弱がひどくなると攻撃性もなくなり死亡します。麻痺型では麻痺症状のみ発生して、ただちに死に至ります。

狂犬病の治療

狂犬病は、発症すれば有効な治療法はありません。感染した場合は他の動物への感染を防ぐために、隔離するか安楽死させます。まれに、感染の疑いのある動物に咬まれた後から、発症前までのできるだけ初期の段階に治療を受ければ、予防出来る場合もあります。

狂犬病の予防

狂犬病の予防には、ワクチン接種が有効です。現在、日本では「狂犬病予防法」により、生後3ヶ月以上の犬は、年に1度ワクチン接種を受ける事が義務付けられています。ワクチン接種を必ず受けるようにしましょう。