犬と肥満 予防
犬の肥満対策に最も重要な事は、「食事」と「運動」、そして「体重測定」です。
犬は食事や運動など、日頃の生活習慣を自分でコントロールする事は出来ません。肥満体質にしてしまうのも予防するのも、飼い主の手にかかっています。肥満は日常生活の長い積み重ねで起こる事なので、飼い主がしっかりと管理してあげるようにします。
犬の食事管理
・食事の量と回数
肥満の予防と対策でいちばん重要になるのが「カロリーコントロール」と言えるでしょう。
まず、1日に与える食事の量をしっかりと計量し、それを2〜3回程度に小分けにして与え、決められた量以上は与えないようにします。
・間食をさせない
おやつなどの間食も控えましょう。しつけなどで必要な場合は、おやつとして与える分を、1日分の計算したカロリーから差し引いたり、1日分のフードから少し分けて与えるのも良いでしょう。
・肥満対策用のペットフードを与える
ダイエットを目的に作られたペットフードを与えてみましょう。通常のペットフードよりも高繊維で、低カロリー・低脂肪なので減量に向いています。
・極端に食事の量を減らさない
「食べなければ痩せるだろう」と安易に食事の量を減らすのは、正しい肥満対策とは言えません。
むやみに摂取するカロリーを減らすと、脂肪と共に筋肉も減ってしまう事から基礎代謝が落ち、逆に太りやすくなってしまうのです。必要なカロリーをしっかり摂取し、正しい食事管理に気を配るようにしましょう。
・幼犬期の食生活
成犬は一時的に肥満になったとしても、正しい食事制限や運動などで減量に成功するケースは多く見られます。しかし、育ち盛りの犬が肥満になってしまった場合、成長してしまってから体重を落す事は大変難しくなってきます。
成長期にある犬は、成犬よりも多くの摂取カロリーを必要としますが、この時期に必要以上にカロリーを摂ってしまうと脂肪の細胞数が増大してしまいます。また、この細胞は一度増えてしまうとなかなか元に戻りにくく、大人になってから、食べる量に関係なく肥満になってしまう事があります。
幼犬の時から余分な食事を与えず、正しい食事管理をすることが大切です。
適度な犬の運動
・食事とのバランス
肥満対策として、消費エネルギーを増やす事はとても大切です。ただし、運動のみで生じる消費エネルギーというのは、実はそれほど多くなくいのも事実。何より、摂取カロリーとのバランスが減量に直接的な効果をもたらすものなので、消費カロリーと摂取カロリーとのバランスを保つこと大切です。食事管理と平行しながら、しっかり取り組みましょう。
・目標を決める
目標もなく、惰性でダイエットを続けていては、犬にとってもつらいもの。
まずは定めた期間に、今の体重より15%の減量を目指すなど、目標を計画的に立てて取り組んでいきましょう。
・肥満になっている犬の場合
すでに肥満になっている犬に急にたくさんの運動量を課すと、突然の激しい運動で心臓や関節に負担がかかり、逆に犬の体に悪影響を与えかねません。食事管理と平行しながら様子を見て、運動量を調節していきましょう。
また、散歩やボール遊びなど運動の種類は、犬種や体格、体質、性格など特徴から判断し、その犬に合った運動を選んであげましょう。
犬の体重測定
犬の現在の体重を正確に把握したり、体重の移り変わりを比較するためにも、定期的な体重測定をおすすめします。頻度は、週1回位を目安とするとよいでしょう。余裕があれば、測定した体重をグラフにしてみると良いでしょう。
また、同時に動物病院で、定期的に健康診断を受けるようにします。
少なくても年に1回、10歳以上の高齢犬、特に体質に問題のある犬などは年2回位の頻度が良いでしょう。
見た目では分からない体脂肪をチェックしたり、肥満の要因などが早期発見できる場合もあります。