犬の病気 感染症 ジステンパー

ジステンパー

ジステンパーとは、人間にかかる「はしか」に似たウィルスが原因で起こる伝染病。
主に、母乳の免疫が消失する生後3ヶ月の、ワクチン未接種の子犬に高い確率で発症します。
栄養状態の悪い犬の場合は、死亡率は50〜90%と非常に高くなり、
また、ジステンパーに感染し回復したとしても、約50%の犬に後遺症が残るといわれています。

ジステンパーの原因

ジステンパーの原因は、主に以下の2通りあります。
・飛沫感染 ジステンパーウイルスに感染した犬からの咳やくしゃみによる感染
・接触感染 ジステンパーウイルスに感染した犬の、鼻水、唾液、目やに、排泄物との直接接触による感染

主にワクチン未接種の1歳未満の子犬に感染する確率が高い感染病です。
特に乾燥した冬の寒い時期には伝染性がさらに高まります。

ジステンパーの症状

ジステンパーが発症すると、目やに、鼻水、発熱、食欲不振、咳などの初期症状が現れます。この時期だと症状はまだ軽く、自然に回復するケースもあります。

しかし、免疫力の弱い子犬などがジステンパーに感染すると、感染してから約1ヶ月後、咳、下痢、嘔吐などの症状が見られ、さまざまな細菌に感染する事があります。

主な症状は、白血球の減少、咳などの呼吸器症状、血便、粘着性のある目やになどを伴う結膜炎や角膜炎、肉球の角質化など。

さらに進行し、ウイルスが脳神経細胞や脊髄の神経細胞に侵入すれば、けいれんや麻痺、歩行困難になるなどの神経症状が見られ、最悪の場合には死に至ることもあります。

また、まれに初期症状が現れず、突然けいれんなどの神経症状が見られる事もあり注意が必要です。

ジステンパーの治療方法

感染後の有効なジステンパーの治療薬は、現時点では見つかっていないのが現状です。
そのため、治療は細菌の二次感染を防ぐ為に抗生物質を投与したり、その他、嘔吐や下痢、発作を抑える投薬、さらに必要な栄養や水分の補給・点滴などで、免疫力を高める治療を行うなどの対処療法が行われます。

ジステンパーの予防

ジステンパーの予防は、ワクチン接種が有効です。特に生後3ヶ月以内の子犬の場合は、適切な時期や回数のワクチンを接種すれば完全に予防する事ができます。
動物病院でよく相談し、子犬期から老齢期まで適切なワクチン接種を定期的に受けるようにしましょう。