コクシジウム症
コクシジウム症とは、約30種類以上も存在する「コクシジウム類」の中の1種類、「イソスポラ」という原虫が原因で起こる病気です。
この「コクシジウム類原虫イソスポラ」は、肉眼ではほとんど確認する事が出来ない非常に小さな原虫で、主に消化器官に寄生する特質を持っています。
この原虫が、犬の小腸などに寄生する事から発症する病気がコクシジウム症です。
コクシジウム症は、生後まもない幼犬に発症する場合が多く見られますが、犬から人には感染する事はありません。
コクシジウム症の原因
コクシジウム症の原因は、「オーシスト(病原体を含んだ排泄物)」や、イソスポラが寄生したネズミなど小動物の捕食など、様々な要因で犬の体内に、病原体が侵入する事が原因となります。
ただし、これだけではコクシジウム症は発症しません。コクシジウム症のほとんどが、他の感染症と同時に感染する「混合感染」により発症し、また抵抗力が特に落ちている犬などが発生率が高くなり、症状が悪化 します。
コクシジウム症の症状
コクシジウム症にかかると、幼犬には血の混じった水様便の下痢などの症状が見られます。
その他、体の衰弱、疲れやすい、発熱、嘔吐、食欲不振、脱水症状、貧血、体重減少などの症状が見られます。
成犬がコクシジウム症にかかった場合の症状は、単独感染であれば軽度ですが、他の感染症との複合感染の場合には、症状が悪化する傾向にあります。
またコクシジウム症の症状が、「パルボウイルス感染症」に良く似ているので、注意する必要があります。
コクシジウム症の治療
コクシジウム症の治療には、サルファ剤という抗菌薬の連続投与を行います。
コクシジウム症に感染した犬は、回復後もしばらくの間は病原体を糞の中に排出しているので、検便を行いながら投薬を続けます。
コクシジウム症は、複合感染により病気が進行するので、早急な対応が必要となります。
コクシジウム症の予防
コクシジウム症の予防には、感染している犬の便の処理を適切に行うことが重要です。
便と共に排泄されたばかりの病原体は、排泄直後はまだ感染力はありませんので、感染力が高まる前に早めに便を処理すれば、コクシジウム症感染の予防に役立ちます。